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2006年06月16日

高橋先生

   鎌倉山に私がとても尊敬する高橋幸男先生という方が
お住まいです。先生は、学習院大学で物理学を専攻され卒業後、
アメリカのアインシュタイ博士の研究室へ、日本で始めての
国費留学生として、派遣された経験の持ち主で、歩く知性の様な
方です。専門は、物理学ですが、歴史にも造詣が深く、哲学や宗教学
もかなりお詳しいです。ご趣味は、「蝶の採取」で、ご自宅のコレクションは
そうとうなものです。
   そんな先生が、先日こんなことをおっしゃてました。
「最近日本に居ないはずの蝶が、鎌倉山に飛んでるんだよね」
「地球の温暖化が、進んでいるからだね」
   物理学は、人間学であり、地球学に通じる。自然の営みにその真理を
求める実に奥深いものです。
   アインシュタイン博士の研究室に行った時、初めて会う高橋先生に博士は
いきない、宿題を出されたそうです。
「ここに1つの四角いチーズがある。それを上下に2つにきり、更に上から下に
向かい8等分した時、全部で何面できるか?3日後に答えを持って来なさい。」
   高橋先生は、色々な数式を検討し、答えを出し、3日後に博士の
所を訪ね。答えを伝えたそうです。
そうしたら、博士は、笑いながら
「君、僕は始めにチ-ズを切ると言ったんだよ。ナイフの切り方によって
色々な面ができるだろ。」と言われたそうです。
   私は、その話を聞きうなりました。さすが、世界的な物理学者、
始めから、物理学の真髄を伝授するとは、恐れ入りました。
   一つ一つ高橋先生のお話ほど興味深いものはありません。
   しかし、先生の見た目は、初めてお会いした13年前とちっとも変わらない
のですが、今年75歳になられたそうで、時々体調を崩されることが多くなったそうです。
そこで、最近身の回りの整理を始めたそうで、私にも色々伝えておくことがあるので
家へいらっしゃいと連絡があり、今日久し振りにお伺いしてきました。
   久し振りの再会でしたが、顔色も良く、髪の毛も白髪より黒髪が多くふさふさして
おられ、とても、具合が悪い方には、見えませんでした。
   それでも、ご自分の葬儀のことまで、細かく考えておられ、真剣に話される
先生を見て、思わず涙が、零れ落ちてしまいました。
もっともっと先生の知識を盗みたい、そして、多くの人に先生のことをお伝えしたい
と心に誓いました。
   「今日、6月16日は、お菓子の日だって知ってるかい。
昔この日には7種類のお菓子を食べる風習が、あったんだよ。
家に帰ったら7種類のお菓子を食べるんだよ。
美的生活は、美しい日々の習慣や年中行事を重ねて行く中で、培われるもの
なんだよ。時代は繰り返すから、良い風習を次の世代にちゃんと
引き継がなきゃだめだよ」
   お別れする際、「私も色々な方にお会いしますが、自分の末期のことを
考えている方は、たいてい長生きしてますよ。また、お伺いします。」と
言って帰って参りました。
   これから時々高橋先生に、伺った話を書き込んで行きます。楽しみにしていて
下さいね。先生が、書いた童話もとても素晴らしいので、これも何回かに
分けて、お伝え致します。


   

投稿者 TAKAHASI_koji : 2006年06月16日 23:48

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