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2007年05月26日

風を感じて想ったこと

   今日、昼近く用事があり副議長室に寄りました。
良い天気だったので窓を開けると、御成小学校のグランド
から、とても爽やかな風が吹き込んでくるではありませんか。
   思えば、御成小学校建替の際、このグランドに校舎を
建てる計画となったことに対し、市民の方々が御成山に
接近しすぎて景観を損ねると言うのが、計画変更を求める
運動のきっかけになったと伺いました。その後、発掘調査を
進めるうちに重要な遺構も現れ益々、その場所への建設を
見合すよう運動が盛り上がり、結局現在の木造校舎に
計画変更され、元もとの位置に建替えられました。
   こうした10年を越える闘争の結果、景観も遺構も
守られた訳でありまして、副議長室へ爽やかな風は
吹き込むし、窓から眺める景色も最高なのであります。

   所で、建物を建てる時の土地開発の許可は、
建築士の先生が、取得することとなっております。
これは、まちづくりや都市計画は、建築士の仕事
と言う思想に元ずくものと思われます。
   しかし、そうした大局観やまちづくり哲学を
しっかり持って取り組んでいる建築士の先生は
極めて少ないと見受けます。どちらかと言うと
採算や経済理論に偏重した建築屋の方が多い
のではないでしょうか?
   鎌倉市の目指す都市像を理解し、
都市マスタープランを熟知した上で、鎌倉の歴史
をも考慮して頂き、個別プランに計画を落とし込んで
もらえれば、住民の方々にもご理解頂ける計画が、
自ずとでき、無理な計画も少なくなるのでは
ないでしょうか。
   そうした取り組みにより、資産価値も上がる
はずですし、景観や遺構も保全されるはずで
あります。
   
   町を歩いていると、時々とても素敵な開発を
行っているいるところがあります。そうした開発を
行った事業者には、まちづくり大賞みたいな、表彰
を行い、他の事業者のお手本になってもらうような
取り組みも一方では、必要ではないでしょうか。
そうした事業者の取り組みやまちづくりのコンセプト、
遺構を保全する歴史的使命等を常に事業者や市民の
方々に発信し続ける仕組みを作る必要があると思います。

   大船観音前マンション開発計画や由比ガ浜商店街の
真ん中に計画されている葬祭場等々の開発計画のことを
考えるとき、建築士の先生方が、もっと鎌倉の歴史や
景観を大切に思ってくれたならこうならなかったのに・・・
といつも考えるのであります。

   五月晴れ、新緑に萌える御成山、
爽やかな風が通り過ぎ、古の景色に、我を誘う

投稿者 TAKAHASI_koji : 2007年05月26日 23:54

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